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13のテクニック

秘密証書遺言書のメリットとデメリット

秘密証書遺言書は、遺言者がその内容を第三者に知られたくない時に作成する方式です。秘密証書による遺言書を紹介します。

・秘密証書遺言について

遺言書を作成するとき、その内容を公にしたくない場合もあるでしょう。

そのような場合に最適なのが、秘密証書による遺言書です。
秘密証書による遺言書というのは、遺言書の遺言内容を秘密にできるものです。
また、自分の遺言内容の実行を確実にしたい方にもお勧めの方法です。
秘密証書による遺言書は遺言の内容を第三者に秘密にできますが、実際に作成した遺言書が秘密証書による遺言であることを、公証人に証明してもらう必要があります。

・秘密証書による遺言書の作成方法

秘密証書による遺言書を作成する場合、次の方法で行います。
最初に遺言者が、自分自身で遺言書を作成します。
このとき、作成する遺言書は自筆証書遺言と同じように、使用するペン、用紙などは特に決まりがありません。
自分が作成しやすいものを選択すると良いでしょう。

また日付や署名押印なども自筆証書遺言書と同じであり、異なる点は記入手段です。
秘密証書による遺言書は、署名が自署であれば遺言書の本文の記入手段は問われません。
遺言書の内容はワープロやパソコンを使用して作成しても構いませんが、自筆証書による遺言書は、遺言書の本文や署名のすべてを自分で書くことが条件です。

遺言書を書き終えた後は、遺言者が封筒に遺言書を入れてしっかり封印をします。
遺言書を封印する際は、遺言書に押印した印鑑と同じものを使用します。

以上が遺言者の行う手続きになります。

次に、公証役場で行う手続きです。
遺言者は、遺言書の証人として2人を用意してください。
その証人になれる人の条件は法律で規定があります。
配偶者、未成年者、遺言者の推定相続人、受遺者、直系親族、公証人の配偶者、四親等内の親族、書記や雇用人は証人にはなれませんので注意してください。
要するに判断能力を有していない方、また遺言内容によって損益を空受けする可能性がある方は証人にはなれません。
適当な証人が見つからない時は、法律の専門家である弁護士、司法書士などにも依頼できますので相談してみると良いでしょう。
それでも証人になってくれる方がいない場合は、公証役場が有料で証人を紹介してくれるところもあります。

秘密証書による遺言書作成方法は、公正証書遺言書と同じです。
遺言者は、2人以上の証人と一緒に公証役場に行きます。
公証役場で、遺言者は公証人と証人の前で封筒の中にある自分の遺言書を確認し、氏名と住所を告げます。
その後、公証人が遺言書の提出日、申述内容を封紙に記載し、遺言者と証人が署名押印します。
それぞれの署名押印が完了すると、秘密証書による遺言書の手続きは終わりです。
公証役場での手続きにより、遺言書の遺言内容が第三者に知られることなく厳重に保管されます。
封印した遺言書は遺言者1人で作成しており、公証人の確認がありません。
そのため、たとえ遺言書に不備があっても訂正はされることはありません。

・秘密証書遺言のメリット、デメリット

遺言書を秘密証書にするメリットですが、まず遺言内容を秘密にできることです。
さらに、偽造、変造の危険を回避できる点もメリットです。

次にデメリットです。
デメリットとしては、公正証書遺言書と同じように遺言書作成の手続きの面倒さが挙げられます。
秘密証書による遺言書は、遺言者自身の記載した書面である旨を公証人から確認してもらう必要があります。
公証人に依頼すると当然ですが費用、時間、手間がかかります。
また、確認には公正証書遺言と同様に証人2人の立ち会いも必要ですので、早めに準備しておくと良いでしょう。

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