医師一家の生前対策

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13のテクニック

売主側からみる
M&Aのメリットとデメリット

事業継承の一つの手段として挙げられるM&A。
M&Aについて売主側から考えてみましょう。

売主側のメリット

メリットの一つとして挙げられるのが、後継者問題の解消です。 親族内に適当な後継者がいない、いたとしてもすぐに承継できないなどの問題を抱えているなど、親族内承継に問題のある企業やクリニックは、後継者問題で頭を抱えることでしょう。

その他に親族外承継として、役員や従業員などの承継も考えられるものの、役員の中に経営を引き継ぐような適切な人材がいない、経営能力を持ち合わせた従業員が揃っていない、また従業員に責任を負わせたくないなどの問題で承継を断念してしまうこともあります。

事業を継承してくれる後継者がいないと、将来的に廃業に迫られることも考えられます。 せっかく積み上げてきた事業を、後継者問題で潰してしまうのは惜しいでしょう。 そういったときに、M&Aすれば、後継者の問題を解消できます。

売主側のメリットとしては、従業員の雇用確保も挙げられます。 M&Aを利用することで、これまで働いてきた従業員も一緒に買主側に移転できることがあります。 事業継承がうまくできないと、従業員やその家族が路頭に迷う可能性もあります。 経営者には、常に従業員の雇用を守る責任がありますが、事業継承が失敗するとそれも危うくなります。
しかしM&Aで優良な企業に事業を任せることができれば、その企業のもとで従業員の雇用を確保できます。

売主側のデメリット

次に売主側のデメリットですが、次の点が考えられます。 まず、従業員の労働条件の変更です。 M&Aで新しい経営者が誕生すると、従業員の雇用内容や労働条件の変更の可能性があります。 すべての経営者ではありませんが、その中には経営戦略を考えて行う経営者もいるでしょう。 利益を増やすために、コスト削減などを行うこともあるかもしれません。 そうなると、従業員の雇用や労働条件、待遇などが大幅に変更されることも予想されるでしょう。 また、これまで面識がない人が新経営者になりますので、従業員の戸惑いも大きくなるかもしれません。

新しい経営者に慣れるまで、ある程度の時間を要するでしょう。 このようにM&Aを実施した場合、売主側のメリットやデメリットを把握しておくことも重要といえます。

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