オーナー社長のための収益物件活用術 会社の経営安定、個人資産を防衛

第1章収益物件の利益最大化で
副収入を得ながら節税も実現する

投資対象は中古物件(新築は利益が出ない)

 ここまで述べてきたように、利益を最大化するためには、「純収入が多い」ことと「物件価格が下がらない」ことの2点が外せません。

 この2点を満たす収益物件は、中古の物件です。

 逆にいえば、新築物件は絶対に買ってはいけない対象になります。なぜなら、新築物件は、そもそもの利回りが低いため純収入が少なく、かつ物件価格が大きく下がってしまうからです(ただし、土地を安く仕入れられたり、建物を安く建てられたりする特殊な場合はこの限りではありません)。

 まず投資回収について見ていきます。一般的に新築物件の表面利回りは中古に比べて極端に低くなってしまいます。

 諸経費は中古に比べて抑えられるというメリットがありますが、減価償却を含めた税引後の利回り(純収入)という観点から見ると、新築物件は投資効率が悪くなります。

 その理由は、中古物件は短期間で減価償却を取れますが、新築物件は償却期間が長くなってしまうため、節税効果も取りにくくなってしまうからです。

 次に新築物件の物件価格の推移を見ていきます。

 まず賃料ですが、新築物件の場合は新築プレミアムということで初回入居の賃料にプレミアムが付いて高くなります。周辺相場より1~2割程度高い賃料でも、新築であれば入居者が見つかるのです。例えば周辺相場が8万円でも、新築時の1回のみ10万円で入居者が入ります。しかし、その入居者が退去してしまえば、賃料は一気に1~2割下がって8万〜9万円になってしまいます。

 賃料が1~2割下がってしまうということは、物件価格が1~2割下がるということです。1億円の物件が簡単に8000万~9000万円になってしまいます。

 中古物件の場合は、このような極端な賃料下落は一般的には起こりません。

 さらに、新築物件の場合は期待利回り(キャップレート)も上がってしまいます。新築だからと期待利回り6%で買った人も、築5年の中古になれば6%では買わないはずです。7%もしくは8%は欲しいよね、ということになります。

 賃料の下落と期待利回りの上昇という、物件価格が下落する要因を新築物件はその構造上抱えてしまっているのです。

 例えば、賃料が15%下がって期待利回りが1%上がると、どのくらい物件価格が下がるか上図の計算で見てみましょう。

 1億円で買った物件が、わずか数年で7000万円ちょっとになってしまいます。つまり、たった数年で3000万円近い価値の下落を生んでしまうのです。新車を買って最初の3年間で大きく価格が下がるのと同じです。

 また、中古の場合は比較的土地値の占める割合が大きくなるのが一般的ですが、新築物件の場合は、土地値の占める割合が小さく建物価格の占める割合が大きくなります。新築物件は、58ページの価格推移線のような状態になってしまうのです。

 まとめると、新築物件は投資回収のスピードが遅く、しかも物件価格が下がりやすいという性質を持っているため、利益を出しにくいということです。

 以上のことから、収益物件の活用対象となるのは中古物件という結論になります。

オーナー社長のための指南書プレゼント

キーワードで検索

収益物件,アパート,アパート活用,原価償却

Page Top