オーナー社長のための収益物件活用術 会社の経営安定、個人資産を防衛

第3章収益物件活用で得られる絶大な節税効果

建物価格をできるだけ大きくして多額の減価償却費を計上する

 減価償却を大きく取ることが節税において重要であると述べましたが、そのためには不動産価格に占める建物価格の割合を大きくすることが重要です。なぜなら減価償却できるのは、不動産を構成する土地・建物のうち、建物だけだからです。

 具体的には売り主との売買契約の際に、売買価格に占める建物価格の割合を大きく取ることでこれが可能となります。もっと率直にいえば、土地・建物の価格のうち建物価格を、評価証明や建物のリフォーム状況等を勘案して合理的な範囲でより大きく設定する、ということです。

 収益物件の価格は売買時における土地と建物の総額で、売り主と買い主の間で合意して決まります。総額が同じであれば、買い主にとっては、建物の金額を大きくしたほうが得であるということです。

 同じ1億円の物件でも、次ページのA(土地8000万円 建物2000万円)よりはB(土地2000万円 建物8000万円)としたほうが、6000万円多く償却できるので節税という観点からは得なのです。

 ただし、売り主にとっては全く逆になります。なぜなら、土地には消費税がかかりませんが、建物にはかかるからです。

 Aでは消費税は148万円ですが、Bでは消費税が592万円になるので、1億円で売却した場合の売り主の手取り額が、Aは9852万円、Bは9408万円と変わってしまうのです(土地割合が高いほうが売り主にとっては有利になる)。

 ただ、個人の売り主(旧来の地主さんなど)の場合など、消費税を納める義務のない売り主(非課税業者)も多くいますので、そのような売り主にとってはこの内訳は関係ありません。

 売買価格と同様に、あくまでも売り主・買い主間の合意に基づいて土地と建物の価格割合は決定されます。そのため、必ずしも買い主に有利な条件を実現できるわけではありませんが、買い主の立場としては、このように建物価格を大きく取ることで節税効果が高くなるということは知っておくべきでしょう。

 そして、売買契約書に取引の総額だけではなく、土地と建物それぞれの金額をきちんと明記することが重要です。売買契約書に金額が明記されれば、その金額が建物価格の根拠になるからです。これは税務調査時においても非常に大切ですので、必ず明記するようにしてください。

 ※注:極端な割合の金額設定は認められませんので、あくまでも「合理的な範囲」での設定にする必要があります。

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