オーナー社長のための収益物件活用術 会社の経営安定、個人資産を防衛

第6章管理会社を活用して
収益物件の利益を最大化する

信頼できる管理会社選び5つのチェックポイント

①管理実績

 収益物件の管理会社を選ぶ際、まずは実績を確認するのが手っ取り早いでしょう。

 管理会社の実績とは、管理戸数と入居率です。

 もちろん会社が自ら公表する数字ですので、新聞社の新聞発行部数や宗教法人の信者数同様、100%信用することはできませんが、一定指標にはなります。公表数字を割引いて考えてみてください。公表している管理戸数が1万戸であれば7000~8000戸が実際のところでしょう。公表の入居率が98%であれば、92~93%が実情です。

 ここでポイントにすべきは細かな数字ではなく、きちんと一定の実績があることです。

 管理でいえば2000戸、できれば3000戸以上。入居率でいえば、エリアによって空室率が異なるのですが、90%以上確保されていることが望ましいといえます。

 入居率は高いほうがいいのは当たり前ですが、戸数に関しては、管理というビジネスが規模の競争の世界に入ってきていて、スケールメリットが大きく関わってきていますので多いほうがよいことになります。

 例えば、エアコンを交換するにしても管理戸数の大きい会社は安く大量に仕入れられますので、結果的にオーナーさんも安く取得できます。また、家賃保証の保証範囲も、管理戸数の大きい管理会社は大きな保証を保証会社から受けることができるのです。

②管理に特化しているか

 実績を確認した後は、自社で仲介店舗を持たずに管理に特化している会社をパートナー候補にするべきです。このような管理形態を「プロパティマネジメント」といいます。

 これは、オーナーの利益を最大化するという立場に立っていることの証明でもあります。

 特に首都圏においては、そのような会社がいくつも出てきています。

 ただし、札幌や福岡などの地方都市においては、仲介店舗を持たざるを得ない事情もありますので、その点は考慮が必要です。その際には、会社内で仲介事業と管理事業が明確に分離していることを確認してください。

③エリア内でのシェア(地方都市の場合)

 また、ややこしいのですが、地方都市でも人口50万人未満の都市においては、管理会社・仲介会社自体が少ないので、管理と仲介が分離していないのが一般的です。

 このような地方都市においては、そのエリアで最も多くの仲介店舗を持っている会社を選ぶべきです。例えば、北関東の茨城県水戸市には、エリアで圧倒的なシェアを誇るM社という管理会社兼仲介会社があります。水戸市で物件を買うような場合があれば、M社は管理を依頼する先の有力候補でしょう。

 そのうえで、担当者と密な関係を築いていくことも大切です。というのも、水戸市では優位にあるM社に物件管理を頼むオーナーが多数います。地元のオーナーはもちろん、東京都や神奈川県在住のオーナーもいます。

 仮に、M社が管理する物件に計10戸の空室があり、それに対して3人の入居希望者がいるとします。それぞれの空室のオーナーからすれば、この3人が自身の所有する物件に入ってくれることが望ましいことは当たり前です。

 つまり、ライバルのオーナーを差し置いて、自身の物件を優先的に推薦してくれるといった良好な関係を、M社の担当者と築いておくことが大切なのです。

 ただし、一概には言えませんが、50万人未満の都市に収益物件を買うことは不動産の流動性の観点からはおすすめできない(利回り優先の場合は事情が異なりますが)ということは先述のとおりです。

④収益物件の売買のノウハウ

 また、管理会社は収益物件の売買にも精通している必要があります。

 本書で説く収益物件の活用においては、買う、管理する、売却するというのが一連の流れになります。その目的は、利益の最大化です。

 管理は利益を最大化するための手段にすぎないのです。

 そのため、どのように管理をしていけば高く売れるか、もしくはどうすればコストをかけずに売りやすい物件にできるかという視点は不可欠です。

 先述したとおり

 収益物件活用における利益= (売却金額 - 取得金額) + (収入 - 支出)

 になります。

 これをトータルで考えなければ利益を最大化することはできないからです。

 オーナーの節税プランや出口戦略も視野に入れて、日々の管理や修繕を行ってくれるのがベストなパートナーということです。

⑤相性

 最後は、相性の問題です。

 収益物件の活用は長い取引になりますので、気持ちよく取引できる会社および担当者を選ぶべきです。

 管理会社とオーナーの関係は、社長と経営企画室のようなものです。オーナーがすべきことは、管理会社からの提案に対して判断を下すことになります。

 取引の頻度はそう多くありませんが、そのやり取りを気持ちよくできることは重要です。もしそこでストレスになれば本業の会社経営にも悪い影響が出てしまいます。

 社長が気持ちよく付き合える相手を選ぶ。これは社員の採用と同じではないでしょうか。

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