オーナー社長のための収益物件活用術 会社の経営安定、個人資産を防衛

第7章事業の保険か、短期投資回収か――
目的に合わせた出口戦略

アパートのまま売るか、更地にして売るかの判断基準

 では、具体的に売却をどのような形で迎えればいいのでしょうか。

 売却の形は大きく2つです。アパートをアパートとして売るか、もしくは更地にして売るかです。

アパートのまま売るか、更地にして売るか

 これは、第1章で説明した物件の価格が決まる基準によって異なります。

 価格が決まる基準になるのは、物件の収益性(利回り)あるいは資産価値(土地値)の2つで、いずれかの高いほうでした。

 どちらの基準で価格が決まっているかによって、売り方は異なります。収益性で決まっている物件に関しては、アパートのまま売るほうが高く売れます。一方、資産価値(土地値)によって価格が決まっている物件はできるだけ更地に近い状態で売ることで高く売れます。

 つまり、自分の物件の価格がどちらの基準で決まっているのかを理解しなければ、最適な売り方もわからないということです。

 収益性の物件では、言葉のとおり収益性で価格が決まってきますので、できるだけ賃料を高く、かつ入居率を高くする必要があります。逆に資産価値の物件は、取り壊しのためには入居者がいないほうがいいのですから、新規の入居者を入れないだけではなく、既存の入居者にもトラブルなく出ていってもらう必要があるのです。

 現場で取引をしていると、これを理解せずに真逆の行動をとられている売り主さんを頻繁に目にします。特に多いのが、「収益性の物件」にもかかわらず、入居者を一所懸命出してしまって売ろうとしている方です。

 これでは、せっかくのアパートの価値を損なってしまいます。

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