第8章収益物件の活用で、
オーナー社長はより本業に注力できる
【事例2】 減価償却で本業利益を3000万円圧縮 会社経営者(R氏) 40代男性
- 本業:IT企業経営者
- 所有している収益物件:マンション2棟
- 本業売上:2億円
- 収益物件活用の目的:節税
- 経常利益:3000万円
- 投資額:5億5000万円
- 社員数:5名
- 役員報酬:5000万円
R氏の本業は、IT企業の経営です。
企業の売上は、年間で2億円、経常利益は3000万円と高利益体質です。5名の社員を雇い、自身の役員報酬は5000万円です。
これまでの間、本業では順調に利益が出ていました。そこで、本業の節税対策として平成20年から収益物件の活用を始めたのでした。
R氏は、収益物件への投資を始めて7年目にあたります。現在は、設備償却の終わった物件を売りに出し、資産の入れ替えを進めています。
すでに述べてきたように、減価償却を節税に活かすうまみは収益物件購入後の4~5年程度など、多額の費用を計上できる初期にあります。
もちろん、高い家賃や入居率を維持できそうなケースなどでは長期の安定保有を考える選択肢もありますが、R氏の目的は「安定利益の出る本業の節税」ですから、5年前後のスパンで収益物件の売却と購入を繰り返し、入れ替えを進めていく手法が有効なのです。
さらに、R氏は別の投資対象にも目を向けています。
それは、太陽光発電システムです。出力10キロワット以上の産業用の太陽光発電システムは、現在発電量の全量を固定価格で買い取ってくれる制度があります(10キロワット未満の家庭用は自家消費で使い切れなかった余剰分のみの買い取り)。
それだけでなく、導入費用の全額を初年度に一括償却できる「グリーン投資減税」という制度があります。
R氏はこの点に着目したのでした。
グリーン投資減税を用いれば、例えば1000万円の導入費用を、1年で一気に減価償却することも可能で、収益物件の活用と並行することで節税効果がより高まるのです。
本業が順調なときにこそ、先手を打って節税やリスクヘッジの手段を講じておく。R氏の経営手法は、そのことを教えてくれているようです。