オーナー社長のための収益物件活用術 会社の経営安定、個人資産を防衛

コラム

シミュレーションソフトを活用して投資精度を高める

 収益物件の活用のデメリット(リスク)として、収益が変動する(固定ではない)という点が挙げられます。

 現在の賃料は将来的に一定ではありませんし、空室が出ることもあります。これらを含めて利益を考えなければいけません。

 常に同じ賃料で満室という想定では、絵に描いた餅になってしまうのです。

 そこで活用するべきなのがシミュレーションソフトです。

 私の会社では、オリジナルでソフトを開発し、事前にシミュレーションを行っておりますが、一般にもネット上を探せば利用することができます。

 このソフトで、賃料の下落と空室率を想定し、また、取引主体(法人か個人かなど)の実効税率(法人税もしくは個人の所得税)をあてはめ、保有期間中の修繕計画(支出)、そして売却想定価格を入れることで物件の最終的な利益が算出されます。最終利益だけではなく、自己資金の回収年数やIRR(内部収益率)などの指標も一目瞭然となります。

 いくつかの想定条件のなかでも入居率は特に大きな変動要因になります。管理運営をきちんと行うことが前提にはなりますが、あらかじめシミュレーションすることによって投資結果の予測精度が高まることは間違いありません。

 例えば、築23年の中古木造アパートで物件価格1億円、年間賃料収入1000万円、土地・建物がそれぞれ5000万円の物件のシミュレーションをしてみます。

 この物件の表面利回りは10%になります。入居率は95%ですが、賃料は毎年1%減少しています。購入者は個人で、年収5000万円の方です。この物件が、6年後に利回り10・5%(9000万円)で売れることを想定します。すると購入から売却までのトータルでの税引後利益が約1700万円と具体的な金額でシミュレーションできるのです。

 シミュレーションのポイントは、数字を堅めに(控えめに)見ることです。空室も考慮し、賃料も下落すると考えます。そして物件の売却可能な金額も、下がった賃料をベースに期待利回りも上がった状態(10・0%⇒10・5%)で考える必要があります。

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