オーナー社長のための収益物件活用術 会社の経営安定、個人資産を防衛

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管理と出口

物件活用事例2
減価償却で本業利益を3000万円圧縮

節税のために収益物件を活用。本業が順調だからこそ、収益物件で節税とリスクヘッジを。

 R 氏の本業は、IT企業の経営です。

 企業の売上は、年間で2億円、経常利益は3000万円と高利益体質。5名の社員を雇い、自身の役員報酬は5000万円です。

 これまでの間、本業では順調に利益が出ていました。そこで、本業の節税対策として平成20年から収益物件の活用を始めたのでした。

 これまでに購入した物件は、賃貸マンション2棟です。

 総投資額は5億5000万円で、その全額を借り入れで賄っています。

 なお、借入先はすべて地元の地方銀行や信用金庫で、借入金利は1%台半ばです。

 現在のところ、年間賃料収入はおよそ5300万円と、表面利回りで10%弱となっています。

 この R 氏のケースでは、収益物件の取得名義はすべて本業法人での取得となっています。2棟とも鉄筋コンクリート(RC)造の物件ですが、本書でも紹介してきたように、RC物件の購入にあたっては、建物本体と設備を分けることで減価償却を短期間で行い、うまく節税(税の先送り)を図ってきました。

 具体的には、減価償却の金額を初期に多めに取れる設備の比率を合理性のある範囲で高めたことで、会計上の赤字を計上し、本業の利益を年間で3000万円程度圧縮することに成功した年もあります。

 R 氏は、収益物件への投資を始めて7年目にあたります。現在は、設備償却の終わった物件を売りに出し、資産の入れ替えを進めています。

 すでに述べてきたように、減価償却を節税に活かすうまみは収益物件購入後の4~5年程度など、多額の費用を計上できる初期にあります。

 もちろん、高い家賃や入居率を維持できそうなケースなどでは長期の安定保有を考える選択肢もありますが、R 氏の目的は「安定利益の出る本業の節税」ですから、5年前後のスパンで収益物件の売却と購入を繰り返し、入れ替えを進めていく手法が有効なのです。

 さらに、R 氏は別の投資対象にも目を向けています。

 それは、太陽光発電システムです。出力10キロワット以上の産業用の太陽光発電システムは、現在発電量の全量を固定価格で買い取ってくれる制度があります(10キロワット未満の家庭用は自家消費で使い切れなかった余剰分のみの買い取り)。

 それだけでなく、導入費用の全額を初年度に一括償却できる「グリーン投資減税」という制度があります。

 R 氏はこの点に着目したのでした。

 グリーン投資減税を用いれば、例えば1000万円の導入費用を、1年で一気に減価償却することも可能で、収益物件の活用と並行することで節税効果がより高まるのです。

 本業が順調なときにこそ、先手を打って節税やリスクヘッジの手段を講じておく。R 氏の経営手法は、そのことを教えてくれているようです。

R氏のプロフィール
会社経営者(R 氏) 40代男性
本業:IT企業経営者
所有している収益物件:マンション2棟
本業売上:2億円
収益物件活用の目的:節税
経常利益:3000万円
投資額:5億5000万円
社員数:5名
役員報酬:5000万円
(R氏のキャッシュフロー表 p248)

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