第7章事業の保険か、短期投資回収か――
目的に合わせた出口戦略
オーナー社長にとっての適切な売り方とタイミング
第3章などで、フローとストックの節税装置としての収益物件活用について詳述してきました。また、キャッシュフロー重視や貯蓄代わりとしても収益物件を活用できることは全編で述べてきました。ここでは、「出口戦略」という観点を加えて、おさらいをしておきたいと思います。
まず、節税を重視する場合ですが、耐用年数を超えた木造アパートで4年超保有など、減価償却のうまみが減った物件から売却し、次の物件を入れ替えで購入していくというサイクルが可能です。
そうすることで、減価償却の節税効果を切れ目なく継続させることができ、理論上は課税の先延ばしを延々と続けることができるということです。
また、法人で複数棟を所有しているケースでは、同一年度内に大規模修繕で赤字が出るA物件の修繕に合わせ、売却益が出るB物件を売ってしまい、結果として損益を相殺させるといった手法も活用できます。